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怖い話

 これは業界の怖い話というよりも、私個人のヒヤっとした話です。 

 この世界にいるとたまに怖い事に遭遇するのですが、まぁ別にオカルトではなく、後になって考えるとよくこんな事したなぁって話です。


<ぎっくり腰>

 これはまだ私が鍼を知ったばかりの頃、もちろん無資格の頃です。
私は当時大阪の南の方の整骨院で勤務していました。

 ある日父親から急遽電話があり、伯母がぎっくり腰なのでどうにかならないかという事でした。
伯母は数年前から癌であり、今回は数日前に急に腰が痛み出し、近くの整形外科で電気治療を受けてから起き上がれなくなってしまったとの事です。

 今なら癌(内臓)からの反射性の痛みであろうと予想するのでしょうが、当時は鍼や整体を習いたてで、誰にでもしたくてしようがない時です。
 二つ返事で治療を引き受けた私は伯母の自宅へと向かいました。

 そしてそこには寝たきりの伯母が....

「おお...本当に動かれへんのや。」(不謹慎ですが...)

 当時私の勤務していた整骨院ではぎっくり腰の治療に一定のパターンがありました。
まず足に鍼を刺し、少しましになれば整体で一気に腰を動かす。
これで大概の人は一時的には動けるようになりました。
(これも今考えると怖いのですが...) 

 まずは足の鍼を刺すと少し寝返りがうてるようになり、
そこですかさず整体へ...。

「ぐにゅっ」(指が肌にめり込む音)

 足に鍼を刺した時にもそうだったのですが、この伯母は最初に書いたようにもう末期の癌でしたので、腹水は溜まるわ全身浮腫で浮腫(むく)んでいるわで、もうひどい状態でした。

 ここまで来て止めるわけにはいかないし、何より怖いもの知らずですから、躊躇(ためらう)うことなく矯正しましたよ。
 
 そしたらその伯母は普通に歩けるようになったんです。
 その時は非常に感謝されましたが、後で考えると怖い話ですね。
医学の常識も知らない人間が治療して結果を出すということは。

 でもね...こんな自称整体師世の中には腐るほどいるんですよ。

しかも自信満々でね。

 自分自身鍼灸の世界に入ってなかったら、すごい鍼灸師に出会ってなかったら、〜式整体開発者なんて名前で開業していたかも。