収録記事
トップ
業界裏話
トップ

職安

 どの業界でもそうですが、職安つまり職業安定所に掲載されている求人広告の中でも、同じ公告が常に掲載されているところがあります。
「どうしてこの不景気に?」って思ってしまいますが、やはりそれなりに理由があるんです。

 私たちの仕事はある程度技術職ですから、基本的には誰でも出来るというものではないはずです。
最低限何らかの医療従事者としての資格を持ち、その勤務場所である程度の間研修をして、初めてその勤務場所での仕事が出来るということになりますが、これはあくまで建前のことです。

大体の整骨院やマッサージ、病院のリハビリでも小さい個人医院では一定のマニュアルが存在します。
これは暗黙の了解である場合が多いのですが、例えば背中を〜分マッサージしてから肩をマッサージするとか、電気を最初に当ててからうつ伏せでマッサージを始めるとかです。

 つまりマニュアル通りにやれば誰でも出来るんです。
資格なんて関係なく、手先が器用なら1週間も要らないでしょう。

 先に挙げた職安に良く出る治療所や病院ではこの類のところが少なくありません。こういった治療所・病院は、

1.仕事は単調で誰でも出来る。 
2.資格は問わない。
3.給料は比較的多く記載されている。
4.常に従業員を募集している。
5.経営者に難あり。

というところが多いですね。
経営者(院長)が少々問題のある人でも、技術が卓越していれば従業員は辞めませんが、これが何度か見れば分かってしまう程度の技術なら我慢をしてまで働く人はいません。

 こういう職場には大体、勤務10何年という古株が居て、その人だけが変わらずに働いています。
こういう所で長く働ける人は依存心が強く、変化を怖がる人ですから治療技術も向上しません。
その結果、通う患者さんにも特徴があります。
こういう治療所に通う患者さんは何十年も通っていることを自慢にしています。
悪くなると病院で薬を貰い、良くなると暇つぶしに来院します。
患者さん自身も変化を嫌がりますから、自分の寝るベッドが決まっていますし、電気を当てる場所や治療の手順が全て決まっています。
新しい従業員には

「私はもう〜十年も通ってるんや」

とか、

「ここの院長先生の奥さんは〜で働いてた。」

とか、

「院長の子供さんは男〜人で女〜人や。」

などと探偵顔負けの情報を提供してくれます。
その上、

「この前の先生はすぐ辞めたけど、先生は頑張ってや。」

なんて事を言ってくれます。
良き先輩ですね。

 こういう所は患者さんの人数も大きく変化することはありませんし、暗黙の了解というルールが存在するため、経営者・従業員・患者全てが同じように毎日動きます。
これに耐えれる人はこんな職場で長続きします。
こんな人は数少なく、そのために常に募集広告が出されています。
引っ込めるのが邪魔臭くなるんでしょうね。
変化が嫌いですから。