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出産と体調

 よく出産をすると体質が変わったとか、体調が良くなったという話を聞きますが、実際には何が身体の中で起ったのでしょう。
この話を東洋医学の観点からお話しましょう。

1.出産すると生理痛が無くなった

 この話もたまに聞きますが、この人の中には子宮内膜症という病気が治ってしまった人もいるようです。
 東洋医学では胎児は生理的な淤血(おけつ)であるという解釈をする治療家がいます。
淤血とは体内に滞った血液のことで、打撲などの後に出来る内出血によるものや、月経の血液が十分に排出されなかったり、出産時の後産が上手く排出されなかったものなどが考えられます。
元々胎児は肥厚した子宮内膜で成長しますから、血の塊のようなものと言っても大きな間違いはないでしょう。
しかも十ケ月もお腹の中にあるのですから、生理的な淤血と言う説明もあながち間違いではないように思います。
  
この淤血が体内にあると主に症状として強い痛みを発します。
この痛みは突き刺すような鋭い痛みです。
女性が生理痛を感じる場合で、このような強い痛みが下腹部にあり、経血の色が黒っぽかったり塊があったりするのは淤血の症状です。
こういう方の中には出産時に淤血が胎児と共に排出され、その結果生理痛が無くなる方がいらっしゃいます。
もちろん逆に十分に排出されずに、出産前よりも生理痛がひどくなる人も結構いらっしゃいます。


2.出産後アレルギー症状が無くなった

今までは、季節の変わり目や花粉の飛ぶ時期にはひどいアレルギー症状が合ったのに、出産後そのような症状が無くなってしまったという方がいます。
この中には妊娠することで食事や生活習慣に気を付け、その結果アレルギーが軽減した人もいるでしょうが、中にはそれらの症状が胎内の胎児に移行しているだけの場合があります。
この場合には安心できません。
当然、出産後には子供さんのアレルギーに悩まされるからです。
産後の養生が悪くて出るアレルギーより、妊娠時に母親の養生が悪いせいで出るアレルギーの方がたちが悪いからです。
妊娠時の養生には十分気を配りましょう。


3.冷え性が治った

 基本的には胎児が中にいる時は二人分の熱がありますから、普通の状態よりは冷えにくいはずです。
これも2と同様に、妊娠中に下半身を冷やさないようにして、運動を十分に行ったために治ってしまう方もいるでしょう。
ただし、これも自分の冷え性は治ったが子供はひどい冷え症では意味がありませんので、くれぐれも養生して下さい。

 全てを通して言える事は、妊娠中の母親の生活は出産後の自分自身や子供に大きな影響を与えるということと、自分のことばかりでなく子供の状態に気を配る必要があることです。
自分は体調が良くなっても、生まれてくる赤ちゃんが非常に弱かったりすると意味が無いということです。

 ただしこれは障害を持って産まれてくる子供が母親のせいであるということとは違います。
受精の瞬間に決まってしまうこともあるでしょうし、もっと以前から例えばパートナーが決まった時から宿命付けられたこともあるでしょうから。
 ただ可能な限りの努力は新たな命の芽生えの為にしてあげることです。

”妊婦の養生”についてはこちらでどうぞ