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NT(後頸部浮腫)

<NTとは>

 NTとは、Nuchal translucencyの略です。
Nuchalというのは首の後ろという意味で、translucencyは透明という意味です。
つまり首の後ろの透明の部分ということですが、これは妊娠初期(11週0日〜13週6日)の胎児の首の後ろに、一時的に見られる浮腫を計測し、その厚みから先天性障害を予測するものです。

 NTの値が高い場合、胎児に染色体異常が見られる場合があり、ご家族の希望により羊水検査を行うことがあります。
羊水検査でも異常が見られた場合、染色体異常の可能性が高くなりますので、その結果、堕胎などを考慮する人もいます。


<どんな異常の可能性が増加するか>

・ダウン症候群
・ターナー症候群
・頭部・心臓血管系の異常
・横隔膜、尿路、腎臓、腹膜などの異常
・遺伝子異常があるNoonan症候群、Sumith−lemli−Opitz症候群や、筋骨格系の病気が増加すると言われています。
・稽留流産の頻度が増えます。


<ダウン諸侯群の発言率とNT>

出産時母年齢 頻度(出産1,000対) 危険率
 全体       1.5           1/650
 30歳       1.4           1/700
 34歳       2.0           1/500
 35歳       2.2           1/450
 36歳       2.5           1/400
 37歳       4.0           1/250
 38歳       5.0           1/200
 39歳       6.5           1/150
 40歳       10.0           1/100
 41歳       12.5           1/80
 42歳       16.5           1/60
 43歳       20.0           1/50
 44歳       25.0           1/40

そして、後頚部浮腫像の厚さと染色体異常の危険率の相対関係は、次のようになります。

 3mm未満 ×0.2
 3mm    ×3
 4mm @  ×18
 5mm    ×28
 6mm以上 ×36

例えば、35歳でNTが5mmの場合には、1/450×28で、28/450となります。
もっと簡単に言えば、何歳であれNTが5mmであるなら、28倍の確立でダウン症候群の子どもであるということになります。


<NT考察>

 NTに関しては、個人的な意見ではありますが、私なら計測はしませんし、もし不本意な形で医師に告げられても羊水検査もしません。
これは私自身が子を持つ親として、家内とも話し合った結果です。
高齢出産の場合、ただでさえ先天性疾患の心配は大きいでしょうが、ある意味覚悟を決めて妊娠に挑んで頂きたいと敢えて書きます。
 NTは目安に過ぎませんし、絶対的な基準ではありません。
子どもを産み育てようという人は、妊娠中のリスク、出産後の苦労等をよく考えた上で、妊娠に挑んで下さい。
そういう意味では出来ちゃったというのは、その部分に関してはかなり無責任であると言えると思います。