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胃の気

 東洋医学の治療において、その指標とすべきものは「胃の気」であるといっても良いでしょう。
では「胃の気」とは一体どういうものなのでしょう?

 東洋医学いう「気」とは、全ての物質的要素の最小単位であり、その中でも「胃の気」とは人間が生きていく上でその根源となるエネルギー物質、つまりその人間の生命力そのものであるといえます。

 つまり「胃の気」が傷つくとは、その人の生命力が少なくなった状態を表し、病気になりやすく、病気からは治り難い状態だということを表します。

 私達は日々臨床の中でいかに「胃の気」を増やすか、いかに「胃の気」を傷つけずに治療するかを考えます。
簡単に言うと治療とは足し算と引き算のような側面があります。


  弱いからだ(「胃の気」が少ない)+病気の元=病気

  病気‐病気の元=健康な体(「胃の気」の回復)

  病弱な体+「胃の気」=健康な体(「胃の気」の回復)


 ただしこれはあくまで理想の話で、実際には病気の元を治療する際に、健康な体力も同時に奪うことになります。
(なることが多い)その為治療後は非常に疲れます。

 体力がある程度残っている人はこれで治ってしまうのですが、元々体力が無い人は治療後逆にしんどくなってしまう事が多々あります。

 治療する時はこの「胃の気」を補うこと、病気の元を攻撃すること、という二つの治療のポイントを、どの程度の割合にするかが治療効果を大きく左右します。

 理想的には体力を補いながら悪いものを攻撃するのが良いのですが、攻撃は比較的簡単で、「胃の気」を補うという方が難しいのです。(「胃の気」(生命力)自体は年齢を取るだけでも弱りますし)
 この「胃の気」は脈診や舌診で診る事が出来ます。
逆に言うと西洋医学的な診方では、中々診ることは出来ません。

 ありのままに生命を捉える東洋医学であるからこそ、この「胃の気」を診ることが出来るのかもしれません。