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鍼灸学生の方へ

 現在鍼灸の学生の皆さんは、さぞかし今後の鍼灸界の行く末が不安で仕方がないでしょう。
学生の中でも特に現在治療所以外の仕事をしていたり、全く仕事をされていない人は特に不安なのではないでしょうか。

 鍼灸師は現在確実に需要と供給のバランスが崩れつつあります。
実はもう既に崩れているのかもしれません。
乱立する学校に対して、卒業しても鍼灸以外の仕事に就く方が如何に多いか。
それらの不安も手伝い、入学したもののどんな風に将来を考えるべきか悩んでいるのではないでしょうか。

 現在は鍼灸師の就職として、病院勤務や整骨院での勤務、その他特殊なものではスポーツトレーナーなどでしょうか。
鍼灸院で従業員として就職するのは、現在非常に難しいでしょうね。

 それでは私が個人的に考える現状を就職先別に挙げてみます。
ただしこれが全て正確な資料を元にしたものではありませんので、あくまで参考程度にして下さい。


1.病院

 リハビリに勤務となるでしょうが、病院の規模や院長の考え方でかなり変わります。
私自身は大きな病院では鍼灸師として働いたことは有りませんが、基本的には鍼灸は保険診療ではありませんから、無償 で行うことのみ認められているようです。

 小規模な医院では、マッサージや物理療法の補助という形での就職になるようです。
折角勤めても機械を扱うだけの診療助手として雇われることもありますので、前もって見学位しても良いのではないでしょうか。
場合によっては治療の一環として取り入れているところもありますが、学生では無理でしょう。
 また古典的な鍼灸治療を嫌うところもあり、灸に関しては煙が出るということで禁止のところもあります。

 腕を磨くという意味ではどうでしょうか?
学生のアルバイトは結構認めていますが、当然鍼を刺すことは出来ないと考えた方が良いでしょう。(一部例外は聞いたことがありますが)


2.整骨院

 現在、鍼灸師が就職する上で一番多いのが鍼灸整骨院ではないでしょうか。
はっきりいってこれはピンからキリまでです。
非常にレベルの高いところから、局所に刺すだけの痛いとこ鍼まで様々です。

 一般的には鍼灸専門院より低く見られがちですが、決してそんな事はありません。
柔整の資格を取ってから古典治療に目覚める方は案外多いものです。
看板のみ整骨院で実際は鍼灸ばかりのところもありますし、患者の金銭的負担を減らすために整骨院の看板を掲げるところもあります。

 鍼灸の学生さんでこういうところに就職や見学、研修を希望する人は、是非一度治療を受けてから研修される方が良いでしょう。

 この世界の人は海千山千の人が多いんです。
実際には治療できないのに、宣伝ばかり派手な治療家も実際に結構います。
そんなところでいくら研修しても、ましてや弟子入りしても仕方がありません。
こういった失敗を防ぐために、せめて一度は治療を受けましょう。
勉強会などへ参加するのも良いでしょう。
弟子入りとなると給料は全く無いか、あってもスズメの涙です。

 まず最初に治療を受けどういう風に感じたか、どういう風に変わったかを身をもって体験して下さい。
惚れ込んだ方なら給料無しでも頑張れます。
それが無ければ止めておくことです。


3.鍼灸院

 鍼灸院も一度は治療を経験してください。
その際には前もって身分を明らかにし、向学のためにも治療を受けたいのですが、と予約を取りましょう。
治療は所属する団体で大きく変わります。
それらの流派の中で自分に合う流派を決めて、勉強会に参加するも良し、弟子入りを志願するも良し。
或いは同じ流派で違う治療所を廻っても良いでしょう。
所詮は個人の能力の世界ですから、手技は同じでもかなり使い手で変わります。

 重要なのは整骨院は基本的には従業員を雇って経営していますが、鍼灸院は夫婦でするか、もしくは院長が一人でされるところが多いですから、従業員として給料を頂くことは整骨院に比べ困難です。

 もう一つ、そこが鍼灸専門院なのか、鍼灸指圧マッサージ院なのかが結構重要です。
すべてではありませんが、学生が働く場合マッサージをしているところではマッサージをさせられることが多いのですが、それが治療とは関係なくマッサージ器のような仕事になる可能性も多いのです。

 これは治療の優劣ではなく、マッサージを治療として行っているのかどうかです。
サービスとしてのマッサージを行うことで、治療とサービスの違いを混同する可能性が多いように思います。

 一旦ずれてしまった感覚は中々戻りませんよ。
まあどちらにせよ就職としての鍼灸学生の需要はかなり少ないでしょう。
その中で本当に勉強になる治療院はもっと少ないでしょう。
大体良い治療所は内輪で就職は決まってしまいますから。


4.クイックマッサージ

 上と同じ理由でサービスと治療の違いが分からなくなってしまいそうですね。
完全否定はしませんが、業界内でどういう風に思われているかは学生なら分かるのではないでしょうか。
法的にもぼちぼち問題になるようにも思いますが。
手っ取り早くお金を稼ぎたかったらどうぞ。


5.トレーナー

 学生アルバイトとしては無理でしょう。
無償で地域の学校や卒業した学校のトレーナーをするのは勉強にはなりますが、いかんせん指導者がいなければ独りよがりになってしまうかも知れません。

 どこか信頼できる治療院と平行で、ボランティアでやるなら勉強になるでしょう。
現在、病院内での鍼灸が保険診療として認定されようとしているようですが、これは非常に鍼灸師にとっては厳しいのではないでしょうか。

 まあ開業鍼灸師がそれに負けない実力を身につければ良いのですが。
鍼灸師が生きていく道はこれからも困難を極めるでしょうが、そんな事で文句をいう人はどうせ鍼灸師としては食べていけませんから、学生の内に何か他の仕事を見つけて下さい。

 現在は柔整でも厳しく、実際にたくさん潰れていますから、今までのように柔整に行ってもお金を掛ける価値があるかどうか疑問ですよ。

 私は今こそ鍼灸師の真価が問われる時期だと思っています。
こんな時代に鍼灸師を目指した皆さん、どうか鍼灸の素晴らしさを信じ、鍼灸術を身に付けてください。

*尚、当鍼灸院が無くなっちゃったらゴメンなさい。