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お灸の話

 古くから行われてきた東洋医学の中で、最も一般大衆になじみがあったのは元々お灸でした。
今ではお灸の痕(やけど)が残るということで、その治療効果よりも美容上の理由から敬遠されていますが、中国でも古い時代には民間の中では鍼はあまり広まらず、むしろ誰でも出来てしかも非常に治療効果も高いお灸が主流でした。

 考えてみると今ほどの科学技術のない古い時代では、鍼は今ほど細く作ることは出来なかったでしょう。
現在の日本の鍼では細いものでは直径0.14ミリ程です。
これなら少々下手な人が刺してもそう痛ないのですが、昔の鍼ではそうとうな技術が必要だったでしょう。
 以前読んだ本の中で、「古い本には鍼をするのは本当に状態が悪く、他に選択肢が無い時に鍼をしていて、その位にならないと鍼をすることは無かったと書かれている」、とありました。
鍼の効果がそれほど信頼されていたとも取れますし、少々の痛みより鍼の方が痛かったとも取れます。
あの熱いお灸よりも鍼の方がつらいと言うのは、今の時代では考えられないことですが、今よりはるかに太い粗雑な鍼で刺されると、確かに痛そうで普通の人では逃げ出すかも知れませんね。

 話はお灸に戻りますが、お灸はそのつぼさえ分かってしまえば、少々下手でも非常に大きな効果があります。
中にはお灸をするつぼだけ教えてもらって、家で自分ですると言う方法をわざと選択することもあります。
特に遠い所まで治療に通っている人にとってはいいかも知れません。もちろん定期的に体の状態を診てもらい、つぼの修正をすることは必要ですが。

 もう一つお灸には鍼と同様に灸あたりという現症が起きることがあります。
これはお灸をした後に身体がだるくなったり、一時的に熱が出たりという現症ですが、多くはすぐに元の状態に戻ります。
この灸あたりとは別に灸をしてはいけない人もいますので、副作用なのか灸あたりなのかを知るためには、かかりつけの鍼灸院を作っている方がいいように思います。