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四診って何?

 このホームページの中でもよく「四診」という言葉が出てきます。この「四診」ですが、東洋医学を志す者なら必ず避けては通れないものなのですが、最近の鍼灸師や漢方医の中には、あまり重要視しない人間もいるようです。特に漢方医は問診のみでその他の診察をしない者も多いし、鍼灸師の中には西洋医学的鍼灸とか科学的鍼灸とか言って、まともに東洋医学に向き合わない者も多いようです。

 症状に出す漢方薬は、宝くじやおみくじのようなものです。当たれば効くが、はずれが多くて世間一般には、漢方薬は体質改善だから長期服用が原則、と言いながら効かない薬を長く服用させては、高い薬代を取る者も多いように思います。もちろん、きちんと勉強をして研究されている漢方医が居ることも事実ですが、鍼灸師同様に同業者から見て、この人ならと言う人はかなり限定されます。

 鍼灸師の場合は、開業すると専門科はありませんので、内科から外科、婦人科、小児科などの不特定の疾患を治療しなければいけません。当然ある程度の西洋医学的な知識は必要でしょうが、それなら医者にかかれば良いわけですから、そんなことを求めて患者さんは来ていません。それよりも、むしろ人間本来の生命力・自然治癒力が自分はどういう状態なのか、画像でや数値ではなく本当の体の状態が知りたくて来院されているのだと思います。まぁ近所にあったからとか、医者は大袈裟でと言う方も居ますが...。

 本題に戻りますが、東洋医学では画像診断や血液検査をするわけにはいきませんから、治療方針や診断を下すためには、何か患者さんの状態を知る手段が必要です。それが「四診」なのです。「四診」は4種類の診察ということです。これには望、聞、問、切の4種類があります。4種類というのは診察が4つということではなく、1種類の中にも数種類の診察方法があります。
それでは順番に説明しましょう。


「望診」

 これは主に眼を使った診察です。西洋医学でいう指針に似ていますが、少し違います。先ず第一に望診に於いて重要なのは、神気を診るということです。神気とはいわゆる生命力のようなものだと思えばいいでしょう。神気はよく眼に現れます。眼がうつろで、何となく活気がない場合は、神気が無くなり予後不良のことがあります。また眼に現れる神気は胆力の現れで有るとも言います。胆力がある人とはいわゆる肝の据わった人のことですから、何事にも動じず、肝胆の強い人であることが分かります。

 望診は全てに通じる診察で、後で出てくる腹診や背侯診でも、皮膚の光沢や色合いを診ます。望診の中で最も代表的なのは舌診でしょう。これは舌の形や大きさ、色、苔の厚薄、色、潤燥などで身体の中を知る診察で、四診の中でも脈診と共に特に重要なものです。


「聞診」

 字の通り聞く診察ですが、これは患者さんの声の質や高さ、呼吸の音(喘鳴なども)などを聞いて診察します。また、聞診には臭いの情報も含まれます。これは体臭や口臭などで、時として重要な情報をもたらします。


「問診」

 問診は非常に重要で、既往歴、現病歴、家族歴、職業性別、年齢、発症時期、増悪因子、緩解因子、排尿・排便の状態、飲食の状態、精神状態、嗜好品、月経の状態、もちろん主訴などこの他色々ありますが、問診は非常に患者さんの主観が反映されやすいため、先生によっては重要なこと以外はわざと聞き流していることがあります。脈と舌診たら他は診ないと言う先生も居ます。私はこの先生のようにすごくないので、結構よくお話しさせてもらいます。


「切診」

 切診には非常に多くの診察方法があります。切診は身体に直に触れる診察で、脈診であれ腹診であれ、身体に触れる診察は全て切診です。先に書いてしまいましたが、代表的なのは脈診、腹診、背侯診、原穴診、井穴診、経絡診などでしょう。この切診は治療に直結するものですから、切診が下手な人は治療も下手です。身体を触られて嫌な感じがする人は、治療されても嫌な感じがします。治療の善し悪しが一番反映される診察法ではないでしょうか。


 上にあるように四診は、望=視覚、聞=聴覚、嗅覚、問=聴覚+視覚+思考、切=触覚など、人間が本来持っている五感をフルに活用して行う診察法なのです。..味覚は使ってないかな..まぁ患者さんの味覚の嗜好や、口の中の味(口の中が苦いとか)は聞くので良しとしましょう。ただこの四診が有るために、非常に治療家によって能力差があるのです。つまり感性が鈍い人はなかなか上達しないし、手の冷たい人は腹診や背侯診に向かない...と言うか患者さんに嫌がられます。幸い私は手が暖かいので良かった。緊張すると冷たくなりますが。