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東洋医学私見

 ここでは、東洋医学の特徴や鍼灸の特徴を中心に紹介します。
東洋医学はもともと日本の医学の中心でしたが、今は西洋医学に押され、医学の中心と言う姿はどこにもありません。
時代劇でよく朝鮮人参が高価な為に、貧乏な者が買うことが出来ないというシーンがあるくらいでしょうか。
その当時は漢方薬が中心で、それに続き鍼灸が医師の技術として活躍していました。
もちろんこの当時とは比べものにならないほど時代背景が変わりましたが、今でも東洋医学は発達しているのです。それでは、東洋医学を鍼灸を中心に、その特徴を紹介します。

?@身体全体を治療する。

 例えば、アトピーなどで皮膚科に行くと、まず皮膚に塗る軟膏(ステロイド)や、内服薬(ビタミン、抗ヒスタミン剤等)や保湿剤が処方されます。この中で一番作用が大きく、即時的効果を挙げるのはステロイドでしょう。これは、その炎症(アレルギー症状)に対して効く薬です。もっというと、他は関係ないからとりあえず皮膚の炎症を無くしてしまうという薬です。そのため副作用が強く、今は患者からも敬遠されがちです。東洋医学では身体全体を治療し、その結果いろいろな症状が軽減するという治り方をします。そこで、悪いところに直接的に治療を加えないこともあります。場合によっては、即効性が無い場合もあります。これは、東洋医学の位置付けをあいまいにしている原因でもあります。ただし、漢方薬にも鍼灸にも副作用はありますし、そういう意味では特殊な治療法ではありません。


?A個人差がある

 これは治療効果という意味ではありません。もちろん治療効果にも個人差はありますが、それは東洋医学特有のものではありません。これはその術者つまり治療家によって、大きな治療効果の差が出来てしまうということです。例えて言うと、「あそこの鍼灸院は効くけどここの鍼灸院は効かない」ということが、かなり明確に出ると言うことです。薬の場合は、処方が同じならほぼ同じ効果が望めますが、鍼灸は同じ場所に入れてても効果は全然違います。これが治療家の技術の差でしょう。


?B治療の方法が一定しない

 鍼灸を例にすると、鍼灸の施術の方法には様々な方法があり、時代により或いは鍼灸師の考え方により、治療の方法や診断がバラバラで、全く違う説明がされるということです。これは西洋医学の医者にかかっても言えることですが、東洋医学の場合この傾向がより強まる場合が多いです。これは独特の東洋医学的な発想からくるものが大きな原因です。つまり体はすべて繋がっていて、ある一部分の影響は全体に、全体は一部分にと言う風な理論です。その為、1から10まで悪いところがあるとすると、何番から治療するとよりスムーズに治るかというところで、大きな差となって出てくると言えます。


?Cどの治療家が本当に良いのか分かりにくい

 私の所属する鍼灸の会では、まず四診が出来る(している)ことを条件としていますが、100%有効かどうかは言い切れません。

四診とは、

・望診(いわゆる視診のようなもので、皮膚の色や舌、目の輝きなどをみる)
・聞診(声や身体からでる音、臭いなどをみる)
・問診(これは問診)
・切診(脈診やつぼ、経絡を実際に触ってみる)

ですが、もちろん形だけでぜんぜん出来ていない人も多数(ほとんど)います。ただし、見えない病に対して一生懸命努力しようとする態度は、患者に対する誠意ともとれます。ただ毎日同じ場所に、何の説明も無く、針を打って電気を流すだけの治療は、本来の鍼灸治療ではないし、本当の治療効果は望めません。時間だけ長いのがいい治療ではありませんが、患者の身体を本当に知ろとしているか、同じ事の繰り返しではないかが、見分ける方法ではないかと思います。