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網膜色素変成症

 網膜色素変成症とは、
光を受け取る視細胞の内、
杆体細胞が傷害されていく進行性の眼科疾患です。
夜盲や視野の狭窄、視力低下が徐々に進行していきます。
現在のところ積極的な治療法はありませんが、
鍼灸治療で症状を緩和したり改善したりすることが出来ます。

 網膜色素変成症は遺伝病ではありますが、
約50%の方には明確な遺伝は見られません。
そのため家族歴が無くても、
夜盲や視野の狭窄、眼のチカチカ感などが出た場合には、
早めに眼科医を受診することが必要です。

 但し眼科では明確な治療はなく、
経過観察が主だった対処となります。

 症状の進行は個人差が大きく、
30代で急激に進行する人もいますし、
高齢でも視機能を保っている人もいるようです。

1.東洋医学での網膜色素変成症

 中国では古くからこの網膜色素変成症を治療対象としており、
「高風雀目」などと呼ばれていました。
雀目(じゃくもく)つまり雀(すずめ)の目ということで、
「とりめ」つまり夜盲の症状が強く出ていたのでしょう。

 また先天的なものとしても捉えられていたようで、
先天の禀賦不足(先天的なエネルギー不足)とされています。
そのため遺伝的な背景もありますが、
そうした先天的な要素を持った上で、
複数の要素が絡み合い発症となるのでしょう。

 治療としては、
腎や肝、脾の治療が本体で、
勿論局所的な網膜周囲の血流を促進し、
視機能の回復と更なる進行予防を行います。

2.当院での治療と効果

 治療は眼の周囲の血流改善の為に、
顔面部周辺、後頸部、背部などと、
体調改善のためにその他諸々(全身)となります。
数は人により変わりますが、
10〜15本程度になります。

 感染防止のため、
鍼は全て使い捨てとしています。
また眼窩への深い鍼は致しません。

 実際の治療は、
最初の3ヶ月間週2回の治療を行い、
その後暫時減らしていきます。
小児期の場合には週1回程度から行い、
徐々に減らしていきます。

 ただ減らす頻度は、
職業や状態により変動しますので、
どの方も一律にどんどん頻度が減るわけではありません。
頻度に関しては、
よく患者さんと相談した上での決定となります。

 最初の2ヶ月程度で、
視力や視野の回復が見られることが多く、
その後比較的良好な状態を維持しているようです。
当院ではまだ3年程度の方が最長ですが、
視力、視野共に改善した状態で維持しています。

 発症後時間が経過している人は、
掛かり付け医が居ない場合もありますが、
出来れば視野と視力に関しては、
専門医で定期的な検査を受けて頂ければ、
治療効果を実感して頂けると思います。

 また網膜色素変性症の治療は、
病気自体を根治させるわけではありませんので、
治療が全く無くなることはありません。
年齢や状態によりますが、
仕事が全くない人の場合でも、
2〜3週に1回程度は継続的に治療を受けて頂いて、
症状の進行を止めるのが目的です。

 また完全に死滅した視細胞は元に戻りませんが、
病気に冒され掛けであったり、
ただ単に機能低下しているだけの機能は回復しますので、
ある程度進行した人でも改善は期待できます。
勿論、
発症から時間が経たない人は、
大きな改善や進行予防が期待できます。