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眼科疾患と病因

 病因とは、文字通り病の原因のことですが、ここでは東洋医学的な考えで書いてみたいと思います。
東洋医学の中に、「三因学説」と言われるものがありますが、ここでは分かりやすくするために、少々分類に現代的な考察も入れながら考えてみましょう。

<三因学説>

 三因とは、内因・外因・不内外因の3つの分類を元に考えます。

内因・・・・・文字通り身体の内側、内面からの要素
外因・・・・・気候風土や気象条件など外的な要素
不内外因・飲食物や疲労蓄積、外傷、生活の乱れなど

 実際にはこれらの三因が複雑に絡み合い、時間的な蓄積もありますので、単純にどれが原因だとは言えません。
ただ主たる原因を探ることは、治療を行う上で非常に重要だと言えます。
 例えば、日々の食事が不適切で、十分な栄養が摂取出来ていない場合、どうしても身体の組織は弱くなります。
また身体の十分な機能も上手く働きません。
但し実際に病気になるかどうかや、更に言うと目の病気になるかどうかは人によりけりです。
恐らく蓄積されたものや体質差、遺伝上の違いなどによるのでしょう。
これは不内外因である飲食と、内因である体質が重なった結果です。
 眼科疾患の方にも、やはり体質や遺伝上の原因は少なからずあるでしょう。
こうした後から変えることの出来ない部分と、飲食物など後から変えることの出来る部分とを知ることは、治療の上で大変重要なことです。


<内因>

 内因の中でも、最も重要なことは七情と体質でしょう。
様々な病気で指摘されるのは、精神的なストレスと先天的資質の問題です。
精神的なストレスは、何もひどく怒るとか悲しむだけではなく、ありふれた日常の一コマが繰り返すことで怒ることもあります。
普段は気に留めていないようなことが、実は重大なストレスになっていることもあるのです。
精神的なストレスは、交感神経を刺激することで毛細血管を収縮させ、血液の循環を悪くするかもしれません。
また血液の粘度が増すことでの血流障害も招くでしょう。

 先天的な問題は、遺伝上の問題は勿論のこと、妊娠中の母親による飲食の不摂生や、母子の感染症なども含まれます。
最近では、食の安全なども叫ばれていますので、長期的には眼科疾患にも影響するかもしれません。
また妊娠中のビタミンAの不足なども、目の正常な昨日の発達を妨げるかもしれません。
ビタミンに限らず十分な栄養の摂取は、眼機能の正常化には欠かせません。


<外因>

 感染症や気候風土などにより障害されるのですが、これは一般的には少し分かり難いかもしれません。
現代の概念的には、感染症などによる眼系統組織の破壊なども含まれると思います。
そういう意味では結構重症かもしれません。
実際に組織の損傷や、変性がある場合には回復は難しく、眼科系疾患でもより重症であると言えます。


<不内外因>

 飲食や疲労など、比較的生活に根ざした問題と、外傷などによる組織の障害、その後の変性など多岐に渡る問題があります。
外傷はおいておくとして、疲労(身体疲労・眼精疲労)などの職業(生業)に関しては、職業を病気だからといって急に転職することは難しく、あまりにも現実離れしています。
そういった場合には、睡眠時間を十分にとる、モニターを替える、眼鏡を替えるなどの対策を講じる必要があります。
また飲食に関しては十分吟味し、抗酸化物(主に緑黄色野菜や色素系果物)を含むものを摂るだとか、油物を控えるなどの対策は必要です。


<最後に>

 最初にも書きましたが、本来はこれらの三因が複雑に影響を与え合いながら、眼科疾患を発症し悪化させます。
どれか一つへの対策だけでは不十分なこともありますが、多くの眼科疾患が進行性であることを考えれば、長い期間に渡り自己管理をすることの大切さが分かるでしょう。
 針灸治療は大変効果的な治療ではありますが、それ単独で全てが改善するわけではなく、むしろ個々の生活の改善が一番重要だったりします。
そのためにも三因を深く理解することが、長く良い状態を維持し、悪い状態を改善するきっかけになることでしょう。