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必要なの?ステップアップ

 ずっと疑問だったことがあります。
タイミング療法からAIH、
IVFとエスカレータ式にステップアップをする不妊治療ですが、
そもそもそのステップアップに意味があるのでしょうか?
この辺りの核心に迫りましょう。

<素朴な疑問>

 不妊治療を専門病院で行うと、
タイミング療法を〜回して、
ダメなら人工授精をしましょう。
それも数回してダメなら体外受精かな。
それでもダメなら顕微授精かな。

 当たり前にみんなステップアップをしますが、
そもそもそれって合理的なことですか?
ただ流されていませんか?

<タイミング療法再考>

 タイミング療法を行う場合には、
大抵は基礎体温表を付けながら排卵のタイミングを取ります。
卵胞チェックをしながらだとより正確にタイミングは取れますが、
絶対ではありません。
その前後に2回程度性交を行い、
判定日を待ちます。

 場合によりこれに排卵誘発剤を併用したります。
この排卵誘発剤も必要かどうかは医師の考え方次第。
そもそも普通に排卵しているなら、
排卵誘発剤自体が必要ありません。
また排卵誘発剤を連用することで、
不妊の傾向はより強くなります。

 本当にご夫婦共に問題がなければこれで妊娠できるはずです。

<人工受精再考>

 排卵のタイミングを卵胞チェックをしながら確認し、
排卵日前後に人工授精を行います。
必要応じて精液の濃縮や洗浄などを行います。

 そもそも人工授精は確率の高い治療ではありません。
恐らく全体としてタイミング法と殆ど変わらないでしょう。
人工授精が適応の方は、
排卵はしているが頸管粘液不全がある方や、
ED気味のご主人の方、
運動率が少々悪い人。
或いは性交不能の方など、
かなり限定的な方のみです。

 ただ人工授精には回数制限はありません。
人工授精で成功する人は、
それが1回目か100回目かは分かりません。
そういう意味でもタイミング法と変わりないと言えます。

<体外受精再考>

 一口に体外受精と言っても、
かなり色々な方法があります。
方法については省きますが、
体外受精といえどもその適応は本来限定的なものです。

 勿論、
最初からタイミング法をせずに体外受精をすれば、
高い妊娠率が得られますが、
それでは本末転倒です。

 体外受精が本当に必要な方とは、
排卵障害があり子宮内に無事受精卵が辿り着くことが出来ない方。
或いは精子が正常に機能せず、
卵子に辿り着くことが出来ない方のみです。

 そういう意味ではステップアップ自体にはあまり意味が無く、
ステップアップとはより高い効果を求めてのものではないということです。
ステップアップよりも先に原因の究明が先決で、
その原因を探る一つの方法として東洋医学も活かされるべきなのです。

<まとめ>

 単純に言うと、
タイミング法で妊娠できる人は夫婦共に特段問題なく、
またフーナーテストで良好な方で、
フーナーテストが不良なだけなら人工授精で妊娠します。
卵管が十分に機能せず卵子の移動が無理な方や、
精子の数や運動が不良だったり射精自体が出来ない方は、
体外受精や顕微授精が適応です。

 こういうことを考えると、
いわゆる卵の質が悪い人はどこの適応でもありません。
いわゆる卵の質が悪い人の中でも、
卵胞内での成長過程に問題があり卵が出来ない人に関しては、
それを改善する治療を受けることで妊娠に至ることが出来ます。

 これが鍼灸治療や栄養療法であると私は思います。
そのためいわゆる卵の質云々だけなら、
鍼灸治療と栄養療法のみでも妊娠は可能で、
体外受精は必要ないということです。

 いわゆる卵の質以外に不妊の要素がある場合には、
人工授精や体外受精が適応になり、
鍼灸や栄養療法と併用になるのです。