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排卵誘発剤と卵の質

 不妊治療では排卵誘発剤が多用されますが、
排卵誘発剤を使うことで卵の数は増えますが、
卵の質はどうなるのでしょうか?

1.排卵誘発剤の種類と働き

<飲み薬>

・セキソビット

 最も作用が軽く、比較的最初に使用される場合が多い。
副作用も少ないと考えられているが、
これには個人差があると思います。

・クロミッド

 恐らく一番メジャーな排卵誘発剤。
他の排卵誘発剤と併用されている場合が多い。
副作用は頸管粘液不全や内膜が薄くなるなどが見られる。
メジャーでよく使用されるだけに、
体調管理が必要な薬です。
特に内膜が薄くなってきたら注意が必要です。

不妊治療では乱用されることがありますが、
副作用は少ないと信じる医師も多く、
目的や身体の状態をしっかりと把握しながら、
適量の使用が望ましい薬です。

<注射>

・フェルテノームP

 卵胞を確認しながらの使用なら副作用は少ないと言われるが、
過剰刺激になることもあるので注意をして下さい。
自己注射をすることもあります。

・hMG(hMG日研)

 卵巣刺激ホルモン(FSH)とごく少量の黄体化ホルモン(LH)の両方が入ったホルモン剤で、
無排卵や人工授精、体外受精などに使用されます。
卵巣過剰刺激症候群になることもありますが、
基本的にはhCGを加えなければ重症化はしないとされています。

・hMG(ヒュメゴン)

 hMG日研のhMGと同様の働きだが、
FSHとLHがほぼ同量入ったもの。
hMG日研と比べれば、こちらの方がやや強い働きをする。
注意も同様。

・hCG

 いわゆる切り替えの注射で、
育てた卵胞を排卵する働きをする。
また妊娠継続のために継続して投与することもある。

 他の排卵誘発剤と併用することで、
OHSSを引き起こし、
重症例では死亡することもある。

 OHSSは、
卵巣を観察しながらなら起きないとHPなどでは書かれているが、
実際には結構起こっているのではないでしょうか?
当院に来院される婦人科医も、
よく搬送されてくるということで不妊専門病院を毛嫌いしていましたし、
当院の患者さんの関係でもたまに耳にしますので。

<卵の質を決めるもの>

 卵の質を決めるものとは何でしょう?
 
 当然産まれ持った遺伝的な質もあるでしょう。
これはどんなに母親が病弱であったり体調が悪くても、
確実に妊娠する能力のある卵を持つ人がいたり、
優秀な遺伝子を持った子供を持つことが出来たりといったものです。
これは先天的要素ですので、
後からではどうしようもありません。

 年齢の問題はよく言われますが、
これは単純に年齢=質であるとは思いません。
ただ残された卵の数が多い分だけ、
質の良い卵が残されている可能性はあるかもしれません。

 或いは複数個の卵が大きくなる課程で、
大きくなる数が5個よりも50個の方が、
良い卵が含まれる確率が高いとは言えるかもしれません。

 ただ年齢が高く、
大きくなる卵の数が少なくとも、
その卵をしっかり育てることが重要で、
卵を如何に育てるかが決め手になるのです。
そのために重要なことは、

・血流
・栄養

この二つです。

 冷えを取り除くことは血流を増やすことに繋がります。
下半身を温めたり、運動したりすることも重要です。
栄養は基本となる5大栄養素をしっかりと摂取し、
血流に乗せて運びます。

 特にビタミンやミネラルは欠乏しがちですので、
サプリメントで補給することでよりよい環境作りをします。
当院の治療で高い効果が見られるのも、
栄養療法での栄養摂取と鍼灸での血流改善が、
質の良い卵を作り出しているからでしょう。

<排卵誘発剤の使用と卵の質>

 本来は数十個の大きくなった卵胞から、
1〜2個の卵のみが生き残り排卵します。
無くなってしまうその他大勢の卵達を、
そのまま育てようというのが排卵誘発剤ですから、
その分だけエネルギーが必要になります。

 排卵誘発剤は命令だけですから、
実際に卵に栄養を送り続けるのはその人自身の力です。
また排卵誘発剤は、
大きくなる卵の数を増やすのではなく、
本来なら無くなる卵をそのまま残すのですから、
元々大きくなる卵の数が少なければ作用しません。

 そのため卵巣予備機脳検査を行い、
適切な排卵の方法を探るのも一つの方法です。
そうすることで無駄に強い排卵誘発剤を使用せず、
その人にあった排卵方法を選ぶことが出来ます。

 また卵に十分な栄養を送る力のない人が、
強い排卵誘発剤を使用すると、
作用は少なく副作用が多く出るのは当たり前です。
その辺りをしっかりと把握して、
治療法を選択してくれる医師を選びましょう。

 選択法を間違えると、
卵の質が悪くなるだけでなく、
卵がどんどん採れなくなることになります。
それを年齢のせいだけにする医師もいます。
自分のことは棚に上げてです。