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排卵誘発剤

 排卵誘発の方法には多種ありますが、
飲み薬での排卵誘発剤などは、
簡単に処方されます。
本当に排卵誘発剤は必要なのでしょうか?

1.排卵誘発剤とは

 排卵誘発剤とは、
排卵する能力がない人を排卵させたり、
妊娠する機会を増やすために一度の排卵数を増やすものです。

 排卵誘発剤には主に、
脳に作用して排卵を促すもの、
卵巣に作用して排卵を促すものがあります。
脳に働くものは内服型。
卵巣に働くものは注射で使用します。

2.脳に働く排卵誘発剤

●セキソビット

・セキソビットは脳に作用しFSHの分泌を促します。
・排卵誘発剤の中では最も弱い薬で、
 副作用も最も少ないと言われています。

●クロミッド

・クロミッドは脳に作用しFSHやLHの分泌を促します。
・世界で最もポピュラーかつ、
 日本でも最も耳にする排卵誘発剤です。
・排卵数を増やすこともありますが、
 作用はせいぜい2個程度とされます。
・副作用として頸管粘液不全や内膜が薄くなることがあります。

3.卵巣に働く排卵誘発剤

●フェルテノームP

・純度の高いFSHを抽出して作られた排卵誘発剤です。
・卵巣を過剰に刺激しないよう、
 黄体化ホルモンを殆ど含みません。
・主に多嚢胞性卵胞症候群や無排卵の方に使用されます。
・多胎妊娠の可能性は20%ほどです。

●hMG(hMG日研)

・FSHとLHがごく少量入った排卵誘発剤です。
・あらかじめクロミッドでは効果が薄いと分かっている場合や、
 クロミッドの追加などでもhMGは使用されます。
・副作用として、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こすことがあります。
・現在は卵胞の発達を診ながら、
 hCGの使用を控えればOHSSは起こりにくいとされています。
・クロミッドの場合には双子の確率が20%程度増えるだけですが、
 hMGの場合には4〜5っ子の確率が20%増えると言われています。

●hMG(ヒュメゴン)

・FSHとLHが1対1で入った排卵誘発剤です。
・hMG日研よりもやや強めの作用のようです。
・副作用や注意等もhMG日研と同様となります。

●hCG

・hCGは黄体ホルモンと同じような働きをするもので、
 クロミッドやhMGの後に使用して、
 育った卵胞を割り排卵させる働きをします。
 切り替えの注射などとも言われてます。
・高温期を維持するために必要な注射でもあります。
・ヒト絨毛ゴナドトロピン、ヒト胎盤性性腺刺激ホルモンとも呼ばれます。
・hCGを適切に使用しなければ、
 重症のOHSSになることがあります。
 OHSSは重篤な場合命に関わりますので、
 熟練した専門医が行うべきです。

4.まとめ

 排卵誘発剤は、
西洋医学の不妊治療においては無くてはならないものです。
そのため使用頻度も多いのですが、
特に専門病院の中には、
かなり強引な使い方をして、
OHSSを多発させている病院もあるようです。

 一般の婦人科病院では、
これらの尻ぬぐいをさせられている感があるようで、
専門病院を毛嫌いする医師も少なくありません。

 個人的にも、
不適切な使用で妊娠機会を逃している方は、
実は結構な数居るのではないかと思っています。
副作用が少ないからと連用したり、
患者の体調をしっかり把握しないまま、
大量の薬を使用すれば生命の危機も招きます。

 不測の事態を防ぐためには、
まずは患者自身の体調を整え、
最低限の薬で短期間で治療が済むようにすることと、
患者自身が自分の体調を、
正確に医師に伝えることが必要です。