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腸管免疫

 生物の免疫の進化は、ある意味消化機能の発達や腸管免疫と密接な関係があると言えるようです。
その意味を考えていきましょう。

<消化機能と免疫>

 皆さんはヤツメウナギって知っていますか?
あまり知らない人の方が多いと思いますが、このヤツメウナギは顎を持たない非常に原始的な生物です。
消化機能の中で、顎を持つか持たないかは非常に重要で、顎を持つことで生物はある程度の堅さのものを食べることが出来るようになったのです。

 この固いものを食べるようになった生物は、その固形状の食べ物によって腸管に傷が付けられ、その傷口には病原菌が繁殖し易いため、より高度な免疫を身に付けたのです。

 現在では下顎を持つ生物よりも高等な生物には、抗体があることが分かっています。
抗体は体内に入ってきた異物(抗原)を認識すると、この異物に対して攻撃を仕掛け、異物を排除してくれる高度な免疫システムの立役者でもあります。


<腸管免疫とは>

 消化管は他器官と比べ、入ってくる雑菌の量も桁外れに多いですよね。
それは飲食物のような固形物が入ってくるわけですから、当然入ってくる量が多いわけです。
この膨大な量の雑菌から身体を守るため、腸管での免疫は他の部位と比べ免疫は高度な進化を遂げています。

 また腸管での免疫は、その栄養の吸収も重要な役割であるため、異物と栄養物を見分ける力が発達し、また過剰な免疫反応を避けるために免疫寛容と呼ばれる特殊な働きを持つことになりました。


<腸管免疫と腸内細菌>

 腸管免疫と腸内細菌には密接な関係があることが分かっています。
上で書いている免疫寛容も、腸内細菌を無菌状態にすれば起こらないことが、マウスによる実験では分かっています。
これからも免疫と腸内細菌との関係は徐々に解明されてくるでしょう。


<Th1とTh2>

 免疫で最近よく出てくるものに、T細胞由来のTh1やTh2と呼ばれるものが有名です、某健康テレビではT1T2と呼ばれていたように思います。

 この二つの免疫は、それぞれ違った働きをしていますが、Th1とTh2のバランスが崩れるとアレルギーが出ることが分かっています。

 これは自律神経とも関係があるのですが、ここでは敢えて書きません。(以前コラムで書いたように思います)
さてこのTh1とTh2ですが、このバランスがTh2へと傾くとアレルギー、Th2に傾くと自己免疫疾患になりやすいことが分かっています。

 腸内細菌が理想的な状態(ビフィズス菌やラクトバチルス菌が多い)であると、この二つがTh1へとバランスが傾くことが分かっています。
つまりアレルギーなどでTh2に傾いている状態を改善することが出来るということです。