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コレステロール

 コレステロールというと、どうしても女性のダイエットの天敵のようなマイナスイメージがありませんか?
これは善玉や悪玉といった呼ばせ方をさせた人間(誰か知りませんが)に大きな責任があります。

 本来の働きを知れば、善玉や悪玉と言った単純な言い方は非常に害のある表現であることが分ります。
この言葉のせいでコレステロールは、血液検査での数値の高低のみで判断され、尚かつ高いものが悪いものという潜在意識を植え付けることになったのです。

 それではコレステロールの役割とは一体何なのでしょうか?
コレステロールの大きな働きの一つに、細胞膜を作る材料となるということがあります。
さらに体内毒素を体外に排出する際に必要な胆汁酸の材料ともなり、十分な量のコレステロールは体内を良い状態に保つには欠かせない物質といえます。

 さらにコレステロールは体内調節に必須のホルモンの材料ともなります
ので、本当に身体にとっては必要なものなのです。


<総コレステロール>

 とかく目の敵にされるコレステロールですが、どの程度の数値になれば身体に毒なのでしょうか?
現在一般的に基準とされているのは、血中総コレステロール値220mg/dl以上が高コレステロールであるとされています。

 でも実際には平成9年に発表された、福井市の2万6千人を追跡調査した調査では、値が220〜260くらいの人が1番死亡率が低かったということで、この220以上が悪いという基準値が大いに間違っていることを示す結果となった。
                       
 また全国の検診受診者のうち、高コレステロール血症の5千人を6年間追跡調査した調査では、食事指導を受けている人は食事指導を受けていない人より、心筋梗塞になる確率が2.87倍多いというデータが明らかになりました。(産経新聞−平成15年2月16日参照)


<食事とコレステロール>

 よく言われることに、卵の食べ過ぎはコレステロールが上がるから食べ過ぎてはいけないというものがあります。              
 そもそもこの話の元を探れば、この話は約90年前にウサギで行った実験が原因であると言われています。
皆さんもご存じの通り、ウサギは草食動物です。
草食動物であるウサギに動物性脂肪をどんどん投与したのです。
当然このウサギは高コレステロールとなり、見事実験者の思惑は成功したのです。

 草食動物であるウサギと違い、雑食である人間の小腸ではこのような現象は起こりません。
タンパク質の項でも書きましたが、タンパク質のプロテインスコアからいうと、卵ほどバランスの取れた栄養食品はないんですよ。

 さらに体内でのコレステロールは、肝臓で生成されたものに依存しており、そういう意味でも食品でコレステロールが高くなると言うのはおかしな話なのです。                          
もしあるとすれば、本当の意味でバランスの取れていない食事をしたが為で、決して肉を少々食べ過ぎたからとか、卵を食べたからではないのです。


<LDLとHDL>

 よくLDLは悪玉でHDLは善玉であるかのように言われますが、まず最初にこのLDLやHDLとは何なのかを説明しましょう。

 単にLDLやHDLとなると、これはタンパク質のことを指します。
これはコレステロールを運ぶ輸送船のようなもので、身体に必要なコレステロール(細胞膜生成など)を細胞まで届けるタンパク質をLDL、その中に含まれるコレステロールをLDLコレステロールと呼ぶのです。
当然必要であるから血中に含まれるわけですから、これ自体を悪玉なんて呼ぶのはおかしいのです。
 HDLはこれに対し、細胞で使ったコレステロールを回収する輸送船のようなもの(タンパク質)です。                  
こういうことから言うと、コレステロールを善悪だけで表現することはかなり間違った表現であると思われますよね。

 コレステロールに関しては、かなり勘違いが多かったことがお分かり頂けたでしょうか?