収録記事
トップ
アトピー
トップ

成人アトピー記録

<初めに>

 これは当院で治療中の女性患者さんの治療記録です。
この女性は幼少時からアトピー性皮膚炎に悩まされ、様々な治療法を試みました。
 たまたま知人の紹介で平成14年3月20日来院され、現在に至っています。
それでは病気の経過と共に彼女の症例をご紹介します。

<来院まで>

 この女性は幼少時からアトピーの症状がありましたが、約5年前にステロイドの副作用を恐れ服用を止めてしまいます。
 この時点で内服薬を含め、かなりの強さのステロイドを服用していたようです。
 ステロイドを止めてから様々な療法を試みますが、アトピーの症状は好転しません。
 2年前から当院来院時までは、某有名病院での強酸性水と飲水療法で一日に2.5〜3Lの水を摂取しています。
強酸性水の塗布で感染症が防がれた為か、顔面部は少しましになったようですが、強い痒みの為睡眠不足になっています。


<来院時>

 たまたま知人の紹介で来院しました。
初診時は顔面の赤味がひどく、全身に渡って湿疹、掻き毟った痕、皮膚の肥厚、剥がれかけの皮膚が目立ち、特に背中一面と前腕部がひどい状態でした。
 毎日母親が強酸性水を全身に塗布していますが、痒みで寝不足気味のせいか、目の下の隈が目立ちました。
またひどい肩凝りも訴えています。
ステロイドの副作用で白内障も併発しています。


<治療開始>

 一般的にアトピーの方は皮膚に炎症を持ちますので、熱のイメージが強いのですが、本当は皮膚の炎症とは別に冷えを伴っていることが多いのです。
 この患者もやはりかなり強い冷えがありました。
冷えの強い患者に対して、大量の水を飲ますことは非常に危険なことで、この患者も長期に渡る大量の水分摂取のせいで、非常に水分代謝が悪い状態になっていました。
そこでこの患者にはすぐに水の大量摂取を止めるように指導すると共に、

1.水分代謝の促進
2.冷えの解消
3.自律神経機能の回復
4.表面の熱の解消
5.ストレスによる様々な機能低下の改善を目標に治療を開始しました。


<記録>

ここからは右肩甲骨周辺の皮膚の状態と共に、治療の経過を書いていきたいと思います。


<3月30日>

写真の許可を取ったのがこの日からです。
3診目になりますが、少し赤味が減ってきたようです。
痒みは相変わらずですが、皮膚に若干の柔らかさが出てきました。


<4月18日>

9診目です。
皮膚の赤味が明らかに変化しています。
下半身の痒みがほぼ治まった状態です。


<5月21日>

18診目です。
 皮膚の赤味や浮腫みは軽減されていますが、痒みはあるようです。
 前腕部の痒みも少しづつ軽減されています。
重症の例としてはかなり早い治りのように感じます。
これは患者の食事や生活全般にわたる努力の賜物でしょう。
熱が治まってきているので、温める治療に時間を使い、熱は軽く抜く程度です。
後は消化器の調整を重点的にしています。


<最後に>

 彼女は現在も加療中ですが、頑固な痒みが残りますが、便秘や肩凝りなどを根気強く治療していけば、そう遠くない内に満足な結果が見られそうです。
この症例の場合、何よりも効果を発揮したのは彼女の努力の賜物でしょう。
飲酒や食生活全般の見直し、水を飲むのを止めたことも良かったようです。

 現在世間には様々なアトピーの治療法があり、それはアトピービジネスとして巨大市場になっています。
その中には全く効果の無いものや、逆に症状を悪化させる物も少なくありません。
 今回の彼女が行っていた方法は、アトピーの治療法としては比較的メジャーな部類に入るでしょう。
その治療法が、彼女にとってはかなりの負担になっていたことは否めません。

 そういう意味でも色々な事を教えてくれる症例です。
勿論今後も引き続き治療を重ね、「もう来なくても良いですよ。」
と言える位にしたいですね。(なるでしょう)


<更新>(10月5日)

 本人から「更新しても良いよ」との許可を得ましたので、久振りの更新です。

 皮膚全体の潤いが出ていますし、生活の乱れ(寝不足・飲み過ぎ)にも関わらず、皮膚はどんどん良くなっています。
 腋の下の皺がなくなって来ているのが分かるでしょうか?
さらに皮膚が粉を吹いたような状態が無くなり、全体に健康な血の気が出ています。
少し以前より赤味が差して見えるのはそのためでしょう。
さらに前腕の部分の湿疹も無くなっています。
但し消化器の働きは充分とは言えず、消化機能の低下からの不調は未だに続きます。
こういったところを改善すれば、恐らくこのまま健康な皮膚になるでしょう。
以前と比べ体全体がやや締まっているのは、浮腫みが取れたためと、運動をした事によるシェイプアップの効果です。

 そう言えば以前の状態では、飲み会に行った後にかなり悪化した事がありましたが、最近はそういうことは無くなったようです。
本人の自覚の為にもここでUPしましょう。
下がそのときの写真です。

深酒・飲食の不摂生にはくれぐれもご注意を。