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捻挫の治療

 いわゆる捻挫の治療では、圧倒的に足首の治療が多いものです。
特に皮下出血を伴うような治療では、足首以外はそう診ません。 
あるとすれば膝くらいでしょうか。

 最近はスポーツに参加される人や、スポーツに関する知識を持った人も多いため、捻挫と言えば冷やして固定するくらいのことは誰でも知っています。 
これはRICE(S)処置と呼ばれ、医療系の学校でも必須の知識となっています。

 でもこれを知っているだけでは本当の治療は出来ません。 
治療家はこの処置で満足してはいけません。
これだけで終わると、患者さんはその後の生活で支障を訴えることもあるでしょう。

 ではどういう治療をすべきなのでしょう。


1)急性期の治療

 急性期の治療はRICES処置を最低限として行いますが、その際気を付けることは受傷からの時間経過で治療を決定するのではなく、その患者の状態で治療・処置法を選択すると言うことです。 

 またRICES処置は治療ではなく、あくまでも処置であると言うことを頭に置くことです。 
治療はそこから先を行うことです。


 ?@テーピングの使い分け

 テーピングは固定すれば良いというものではありません。 
テーピングで処置する場合には、歩くことが出来るというのが前提条件でしょうから、いかに少ない制限で痛みの起る動きを制限出来るかが重要です。
 さらに言うなら、テーピングを貼ることで動きが著しく悪くなるなら(可動域制限・痛みによって)、そのテーピングの張り方が間違っているか、テーピングという選択自体が間違っている場合もあります。

 テーピングを貼ることで動きやすく痛みが軽減されるなら、そのテーピングは効果を発揮していると言えますし、処置の選択は間違っていなかったということでしょう。 
くれぐれもマニュアルだけでは処置しないように。 


 ?A冷やす道具 

 患部を冷やすときには氷を使うのが基本ですが、最近ではクライオパックなどという便利なものも出来ています。
但し基本は氷であることは忘れないで下さい。 
治療所だけでなく、ご自宅でも氷のう(アイスバッグ)は便利に働きますので一つくらいあってもいいかもしれません。


2)亜急性・慢性期の治療

 最も治療が難しく間違いやすいのは、この時期の治療ではないかと思っています。


 ?@冷やすか温めるか

 これは患部次第で変わります。 
決して受傷からの時間で決めてはいけません。 
マニュアル通りに治療を進めて、実は強い炎症を持ち続けている患者をお湯で温めたり、逆に血行障害を強く起こして冷たくむくんでいる患者なのに冷やしたりと、患者を診ていない治療が横行しています。 
 
 これは大いに反省すべき点です。
これから未経験なマニュアル柔整師が開業することが増えますので、有資格者はみな専門家だと考えるのは危険です。 


 ?A運動させるかさせないか 

 運動の再会はタイミングが難しいのですが、出来れば最初の運動は治療家の手をもって行われるべきです。 
この時期の運動は痛みを出来るだけ感じないような、運動方向を制限したものが有効です。 

 誰にでも同じように足でのタオル掴みやつま先立ちなどをさせていると、思わぬ形で捻挫を繰り返すことがあります。
最初は丁寧に行い、徐々に運動の質を上げていくことが重要です。

 最終的にはどんな自体にも自力で対応出来る形にまで仕上げなくてはいけません。


 ?Bテーピングや装具

 捻挫を繰り返す人の中には、大袈裟な装具を長年はめている人がいます。
特殊な環境下でスポーツをする人以外は、この方法で捻挫の再発予防をすることは、決してプラスとはならないでしょう。 

 テーピングを行うなら徐々に制限する強さや関節の動きを解放し、貼っているかどうか分からない程度まで緩くします。 
またテーピングの種類やメーカーによっても変わりますので、こだわる方はメーカーを変えるだけでもかなり変わります。 

 ただこれも最終的には全てなくして生活出来るようにするのが、治療の目標です。