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オスグッド・シュラッテル氏病(膝の成長痛)part2

 オスグッド・シュラッテル氏病(OS病)は、
成長期にはよく見られる成長痛です。
実は以前同様の記事を上げていますが、
今回はその後分かったことや、
前回記事で触れなかったことに関しても書いていきましょう。

1.OS病は一つの原因で起こるのではない

 OS病は単一の理由で起こるものではありません。
つまり大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が固いとか、
前脛骨筋(脛の外側の筋肉)が固いとか、
成長期に激しいスポーツをしたとか、
アライメントが狂っているとかいう一つの問題だけではなく、
それらが関連して起こる病態です。

 当然治療には身体をトータルで診る必要があります。

2.当てはまる原因を一つずつ解消していこう

(筋肉は柔らかく)

 ストレッチは太ももだけでなく、ふくらはぎや脛の筋肉、
腰や股関節、背中、肩甲骨周りも重要です。
出来れば専門家にチェックして貰うべきです。

(酷い炎症期はスポーツ活動を制限しましょう)

 基本は動かしながら治しますが、
勿論程度問題です。
歩いても痛い場合には思い切って休むことも重要です。
どの程度の運動が出来るかは専門家との相談が必要です。

(冷やすか温めるか)

 運動直後はアイシングでも構いませんが、
それ以外は余り冷やさない方が痛みは軽減します。
ただ強い温熱療法は必要ありません。
LIPUS(間欠式超音波)などは有効です。

(トレーニングは目的を持って)

 アライメントの調整のために、
下半身の無理のないスポーツPNFやトレーニングも有効です。
またスポーツ活動を再開するに当たり、
徐々に筋力を元に戻したり、
膝に過剰な負荷が掛からないように行うトレーニングも重要です。
 これも専門家に相談しながら行うべきですし、
その時期も重要です。
器具を使ったトレーニングは必要ありません。
体重を使ったトレーニングで十分です。

3.治り方は人それぞれ

 症状の強さが人それぞれであるように、
治り方も人それぞれです。
その時その時で対処し、
スポーツ活動復帰を目指しましょう。

 また一度スポーツ活動を再開しても、
症状が酷くなれば少し休むなどの柔軟な対応が必要です。

4.年代の特性を考えよう

 この年代はいわゆる第2次性徴の始まりくらいの時期ですので、
心身共に大きく変化する時期です。
そのため大人の理屈で痛くないはずだとか、
頑張れるはずだというのは止めてあげて下さい。

 OS病にも少なからず心理的側面も出てきます。
痛みの感じ方は人それぞれですので、
本人が痛むという状態を重視して頂いて、
尻ばかりを叩かず手綱を緩めることも大事なのです。

5.案外見逃しがちなアレルギー

 一部の子どもでは、
症状が劇的に悪化する場合があります。
特に元々アレルギーを強く持つ子どもにその傾向が強いように思います。
恐らくは離断した軟骨が身体に異物と認識され、
激しい炎症反応を起こしている場合です。

 この場合には全く歩行が不可能になる子どもも存在します。
寝たきりもしくは車いす生活となります。
日頃からアレルギーが発症しにくいように、
生活全般の見直しが必要になります。

 特に生活リズムと食事内容、日常の投薬が鍵を握ります。
規則正しい生活を心がけ、
スナック菓子や清涼飲料を避け、
軽い病気なら薬を使わず自分の免疫力を高めることが、
アレルギー対策には重要です。

6.OS病をきっかけに身体作りを(専門家向け)

 OS病には色々な原因がありますが、
OS病が原因でスポーツを出来なくなる子どもは、
筋肉の強さや固さのバランス、
或いは出力の仕方やバランス能力が狂っている子どもが多いようです。

 OS病からの復帰のため行うトレーニングには、
これらを整える役割がありますので、
OS病をきっかけにしてより高いパフォーマンスを獲得し、
前よりも良い状態でスポーツ活動に復帰することを目指しましょう。

<体幹から上肢への力の伝達を行う>

 体幹から上肢へ力の伝達がスムーズになると、
上半身のブレが無くなり、
より下半身への力の伝達がスムーズに行われるようになります。
そうすることで膝のねじれが無くなり、
膝蓋靱帯や脛骨粗面にかかる負荷が軽くなります。

 これには45度腕立てを推奨します。
これは肘が十分に曲がった状態(床と体幹が平行)で、
上腕と体幹の角度が45度になる腕立て伏せです。
脇の角度を45度にすることで、
体幹と上肢のつなぎ目の筋肉が強化され、
出力もスムーズに行われるようになります。

 腕立ての際には、
肩甲骨周りの筋収縮を意識して行います。
最初はかなりの難易度ですので、
膝を着いても構いません。
最終的に20回程度を目安に行います。

<体幹から下肢への力の伝達を行う>

 これにはレッグランジを行います。
レッグランジとは、
立った姿勢から大きく一歩どちらかの脚を踏み出し、
膝を90度に曲がるまで腰を落とします。
膝を曲げたときに膝がつま先より前に出ないように気を付けます。
また膝がつま先と同じ方向を向くようにし、
内側や外側に力が流れるのを我慢します。

 勿論体幹は地面と垂直にし、
前後左右に揺れないように腹筋や背筋をしっかり引き締めます。
手は腰に当てても横に垂らしていても構いません。
慣れてくると手に少々の重りを持っても良いですが、
あくまで基本は自分の体重で行います。

 常に意識するのは、
自分の膝の位置や体幹の傾きです。
これをコントロールすることは、
全てのスポーツに通じる重要な要素となります。

7.最後に

 OS病は非常に多い病態です。
その割にしっかりと対処出来ていないものですが、
それはこの一つの病態に多くの原因が潜んでいるからなのです。

 力学的な問題、生理学的な問題、免疫学的な問題、精神的な問題などなど。
これらをトータルで考え、
その子にあった対処法を選び、
そして長い目でその子のスポーツ活動を支えることが重要です。

 そうすることで、
後々のスポーツ活動にとって重要な時期を過ごしたと言えるようになるのです。
あの時期は無駄だったとならないよう良い治療家を選んで下さい。